これからアツイEC業界のホントの市場規模

実はECというものは、これからじゃないかと思ってきた

EC業界はまだまだこれからの業界で、新規参入者にもチャンスがあるという意見には大賛成です。とてもエキサイティングなことですね。今日はそんなEC業界の市場規模についてのお話。新規参入者には果たしてどのくらいの市場が待っているかという話になります。

経産省によれば、2011年のB to C EC市場規模は8.5兆円だそうですが、この数字だけ見てEC市場規模を語るのはミスリーディングです。(この数字がよくニュースなどで使われています。)多分僕らが一般的に使うECという言葉は、インターネット上での物理的な商品の売買、つまりオンライン小売業を指すのだと思いますが、経産省のECの定義(OECDのそれに基づくもの)は少し違います。この8.5兆円には、サービス業や金融など、小売以外の数字が含まれているからです。

オンライン小売業の正しい市場規模は下の図の赤線で囲った部分になります。但しオークションやC to Cの販売額はこれに含まれていません。合計すると約4.5兆円になりますが、これが正しい「eコマース業界」の市場規模になります。2011年の小売産業全体の市場規模は約134兆円になりますので、数%というEC化率とも整合性がとれます。

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国内EC最大手である楽天の2011年の流通総額は約1.25兆円になりますが、同社のIR資料によれば、2011年の楽天の業界シェアは27.9%だそうです。上記で述べた2011年のオンライン小売市場規模である4.5兆円の27.9%は丁度1.25兆円で、こちらも整合性がとれています。

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但し、楽天の流通総額には、

※ 国内EC流通総額=モール(通常購入・共同購入)、モバイル、オークション(旧フリマ含む)、ブックス、GORA、ビジネス、ダウンロード、チケット、ネットスーパー、チェックアウト、楽天競馬、toto、Show Time、メディアレンタル、ダイニング、サロン(12/上半期~)、楽天マート・ケンコーコム(12/下半期~)

とモール以外の事業が含まれるので、単純に小売業だけのシェアということであれば、実際はもっと低くなるのかもしれません。

上記のように2011年のEコマース業界規模は4.5兆円であると仮定して、市場シェアを図示すると以下のようになります。楽天、アマゾン、ヤフー、ZOZOなどの巨人で既に市場の半分を取っていることになります。

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残り半分の2兆円程度が複数の中小企業によって構成されていることになります。市場規模自体はこれからもどんどん拡大していくのでしょうが、楽天やアマゾンら巨人の支配はしばらく続く事が予想されます。つまり他社に残されたマーケットは実質この2兆円。

ここでは単純化して、仮にパイ自体が現状水準の年率10%成長で拡大していくという前提を置くと(人口が減少する日本の小売産業全体は縮小し、EC化率のみが今のペース以上で伸びていくという前提とも言えます)、2020年にはeコマース市場規模は10兆円程度になっています。そしてその時点でも楽天らの大手だけで50%のシェアをキープしていると仮定すると、残りは5兆円。

上記をまとめると、新規参入者がeコマースを始める場合、実質2兆円の市場に参入していくことになり、2020年頃には5兆円程度になっていると考えるのが妥当でしょうか。それでも十分大きいですね。いずれにせよ楽天やアマゾンがいるからECは参入不可能とあきらめるのは時期尚早です。この2兆円のマーケットで、数多くのニッチなEC企業が争いを繰り広げることになるのでしょう。

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坂本悟史 川村トモエ
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