EC業界の勢力図が一変するかもしれない

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photo credit: alles-schlumpf via photopin cc

最近、EC(インターネット通販)業界に少しずつ変化が起き始めている。

それは小さすぎてまだ誰も気づいていない。または、気づいていても大した話では無いと思っている人がほとんどだろう。

しかし、個人的には、数年後にはEC業界の勢力図がガラっと変わってしまう可能性があるとすら思っている。

これからその変化について説明したいと思う。

ECにおける2つのモデル

まず、ECは大きく2つのモデルに分類される事を抑える必要がある。

1つ目は、Amazonのように自分で商品の在庫を持ち、それを消費者に売る、B to C (Amazon⇒消費者)モデル。

もう1つは、楽天のように商品をネットで売りたい店舗と消費者の仲介役になる、B to B to C(店舗⇒楽天⇒消費者)モデル。

当然モデルが違えばそれぞれの顧客も異なる。

Amazonのように直接商品を消費者に販売するB to Cモデルにとって、顧客はAmazonから商品を買ってくれる消費者になる。

一方、楽天のような、B to B to Cモデルにとっての顧客は、楽天に出店してくれる店舗になる。(もちろん消費者も大事だが)

今回、私が言っているEC業界での変化というのは、この顧客の部分、特にB to B to Cモデルにおける顧客の部分で起こっている。つまりネット上に出店したい店舗の部分で変化が起き始めている。

B to B to Cモデルにおける変化

以下の記事が全てを物語っている。

開設ストア数は1万件、取引商品総額は3億円。2分でオンラインストアがつくれる「Stores.jp」の3ヶ月後

新手ネット通販「BASE」急拡大 誰でも店主に

3週間で約6000店舗を集めたモール

無料で簡単にネット上に出店したいという店舗が増えてきたのだ。

みんなが買い物をする楽天などに出店すればモノは売れるのに、なぜわざわざ上記のような無名サイトに登録するのか?

それは多くの店舗にとって、楽天モデルが最適解とは限らないからだ。

楽天の出店料は、固定料金+売上に応じた従量料金で構成される。更に、もっと売れるようにと広告を出すよう促され、それを出せば当然広告費もかかる。

インターネットモールによって一番救われるべき、小さな店舗(ロングテールと呼ばれる)にとって、実はこのような料金体系は結構な負担になる。結局、モール内でも店舗同士の競争が存在し、広告などを打たなければ小さな店舗は淘汰されていってしまう。売上がどんなに上がっても、広告費などで費用がかさんで、利益段階ではトントンというケースも多いはずだ。これらの店舗がわざわざ出店料+広告料を払ってまで出店する意味はあまりない。

それを考えると完全無料で簡単にオンラインショップが作れるBASEやStores.jpが台頭してきたのは極めて自然な流れだ。これがB to B to Cモデルの新たな解となるのかもしれない。

現在楽天に出店している店舗数は約39000店。Stores.jpは既に1万店、 BASEは6000店と良いペースで伸びている。

このような流れが起こっているのは日本だけではない。

米国オンラインショッピングサイトの利用者数ランキング–トップはやはりアマゾン

という記事があるが、この記事で一番注目すべきはShopifyが3位にランクインしていることだ。Shopifyは上記のBASEやStores.jpと同じく、手軽にECサイトが作れるサービスである。

アメリカでも日本と同様に、簡単に安くネットに出店したいというお店、そしてそういうお店で買い物をしたいと思う消費者が増えてきている。

ECからプラットフォームへ

上記のBASEやStores.jpを使用する店舗は、これからますます増えるであろう。

次のステップでこれらのサービスがしなければいけないのは、言うまでもなく「サービスのプラットフォーム化」だ。

具体的には、楽天をパクってポイントシステムなどから始めればいい。

重要なのは、単に「沢山の店舗が登録するサービス」ではなく、「それぞれの店舗やお客さんがつながる仕組み」を作ることだ。

近年急成長したプラットフォームにLINEというサービスがある。

これは単なるチャットサービスくらいにしか世間では認知されてないかもしれないが、今や日本を代表する巨大ITプラットフォームだ。

LINEを運営するNHN Japanの幹部が、この記事でプラットフォームとなるための条件を挙げている。

(1)大規模なユーザーベースがあるか

(2)そこにサービスが効果的につながるか

(3)その場が収益化できるか

私は特に(1)が重要だと思ってる。結局facebookの何が強いかというと10億人のユーザーを抱えていることだ。

LINEはチャットサービスで人を増やし、そこからLINE POPなど色んなサービスを始めてプラットフォーム化していった。LINEが何をやってもいいのは結局たくさんのユーザーに支えられているからである。

業種は違えど、今のペースで開設ストア数を増やすことが出来れば、BASE、Stores.jpともに、数年後には巨大プラットフォームに化けているかもしれない。(LINEも今の位置に来るのに2年かかっていない)

巨人の参入

リクルート、ネット通販参入を正式発表 「ポンパレモール」

そして最近、リクルートもこのネット通販市場に参入することを発表した。Amazonと楽天が既に地位を確立しているのにも関わらずわざわざ参入してくるのだから、何かしら勝算があるのだろう。じゃらんやホットペッパーをこのEC事業と組み合わせ、ホットペッパーポイントを買い物にも使えるようにすれば、楽天と同じようなネット経済圏モデルを作れる。

更なるベンチャーの登場

そしてあの有名デザイナーの上杉周作さんが、

「日本で最も期待できるスタートアップ」と絶賛しているベンチャー、OrigamiもECである。

詳細なビジネスモデルは不明だが、「売る、買う、を新しく」ということで、非常に楽しみなベンチャーだ。

さぁEC業界、特にB to B to Cの部分で戦争が始まろうとしている。生き残るのはどこだろうか?

P.S.BASEの取締役によるとBASEももうすぐ1万店を超えるとの事。順調に伸びている。

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