EC業界の勢力図が一変するかもしれない2

前に、EC業界の勢力図が一変するかもしれないという記事を書いた。僕はその時

最近、EC(インターネット通販)業界に少しずつ変化が起き始めている。

それは小さすぎてまだ誰も気づいていない。または、気づいていても大した話では無いと思っている人がほとんどだろう。

しかし、個人的には、数年後にはEC業界の勢力図がガラっと変わってしまう可能性があるとすら思っている。

と書いたが、その記事を書いてから半年経った今でもその意見は変わっていない。むしろ、実際は自分の想定通りの事が起こっている。

そしてそのEC業界における変化は主にB2B2Cという、消費者と店舗をつなぐモデルにおいて顕著に見られるようになるとも書いた。一方B2Cと呼ばれる、ショップが在庫を抱えて直接消費者に販売するモデルは、Amazonの独壇場で、これからもその地位が揺らぐ事はないだろう。

そのB2B2Cモデルについてだが、この半年で大きく分けて2つの事が起こった。では順に見ていこう。

Shopifyモデルの台頭

Shopifyというサービスをご存知だろうか?

日本の人にはあまり馴染みがないかもしれないが、アメリカにShopifyというサービスがある。Shopifyは、誰でも無料で簡単に店舗が出せるようになるサービスで、何とアメリカではAmazon、eBayに続くアクセス数を誇るECサイトだ。

アメリカではこのように、ネット初心者でも無料でネットショップを作れるサービスが次のB2B2Cとして台頭してきたわけだが、これは日本でも同じである。

皆さんもご存知のBASEStores.jpが日本のShopifyにあたる。両者ともローンチからものすごい勢いで店舗数、流通総額を伸ばしているわけだが、特にBASEの勢いは止まることを知らない。

日本の最大のB2B2Cサービスと言えば楽天で、出店店舗数は約4万店舗だが、BASEは何とローンチから1年程度で10万店舗を抱える事になる。

もちろん、楽天のように出店料を課すサービスと、無料で誰でも登録できるBASEにおける店舗のアクティブ率は違う。楽天に出店している店舗の方が当然ながら本気度は高い。BASEに出店している「店舗」はまだ「個人」が多く、BASEはB2B2CというよりはC2B2Cという印象が強い。無料なので登録して放置しているユーザーも多いだろう。

しかしBASEのショッピングモールとしての可能性を侮ってはいけない。

ショッピングモールの価値がどこにあるかというと、結局は買い手を集める力にある。トラフィックを提供してもらえるから店舗は出店料を払ってでもそのモールに出店する。ところがこの出店料モデルは、僕はB2B2Cの最適解だとは思っていない。結局高い出店料を払って出店しても、現実世界のような競争にさらされて、業績が上がらない小さな店舗は多いのだ。そこで仮にBASEが沢山の買い手を集められるようになれば、無料で出店できてトラフィックも集められるBASEを店舗が選ばない理由はなくなる。今のユーザー数の伸び、注目度を考えても、BASEに消費者を沢山集められるポテンシャルは十分あり、BASEが巨大ショッピングモールになる日もそう遠くはないのだ。

それを踏まえて次のフェーズでBASEがやるべき事は、BASEモールを作る事だ。今はまだ個々の店舗が独立していてつながりがない。それらをひとまとめにしてモール形態にすれば、買い手から見たBASEの価値は一気に上がる。

モバイルコマースの台頭

もう1つ見られた大きな動きはモバイルコマースの台頭であろう。

Origamiiqonなどに代表されるファッション系のモバイルコマースが台頭してきたが、この動きはこれから色んなジャンルで加速するであろう。モバイルコマースが目指すのはO2O(オフラインtoオンライン)、つまり現実とネットのショッピングを繋げるという事であろうが、これを上手く実現しているサービスはまだ存在しない。これから注目の分野である。

以上この半年でEC業界に起きた変化について2つ書いたが、その他、タイムセールを提供するLocariやオーディエンスコマース を提供するFeedbuyなどの新しいECの形にも注目であろう。EC業界はまだまだ目が離せない。

P.S.補足記事を追加。

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