起業のファイナンス/磯崎哲也(@isologue)

著名ブロガーの磯崎さん(@isologue)の起業のファイナンスという本を読みました。

起業に関する本は世の中に溢れかえっていますが、この本は起業をファイナンスの観点で説明している数少ない本。私がこの本を読んでまず抱いた印象はとても分かりやすいということです。ファイナンス関連の本は難しく書かれているのが多いですが、この本は平坦な文章で書かれていて非常に取っ付き易いです。それでいて起業におけるファイナンスのエッセンスを盛りこんであるので、起業を考えている人には必読の書だと思います。

起業には2タイプの起業があります。

1つ目は、「資金調達がいらない起業」で、これは資本がいらないわけだから、あまり深く考えずトライしてみるだけです。もう1つは、「資金調達が必要な起業」で、本書はこのタイプの起業について説明しています。

企業の究極の目標は企業価値を最大化することです。出来立ホヤホヤのベンチャーは銀行借入や社債発行ではなく、株式で資金調達するのが一般的で、彼らは、企業価値(ベンチャーの段階では企業価値=事業価値=株主価値であることが多い)を高めて、EXITの際に高い価値で上場したり、バイアウトして、ベンチャーキャピタル等の投資家に報いるよう努めなければなりません。また、ストックオプションを発行して、経営者や従業員のインセンティブを高めることも大切です。この本は、そういうストックオプションや資本政策についても詳細に説明しています。

そして散々起業におけるファイナンスについて説明した後で、筆者はこのような事を言って本書を終えます。

本書の副題に「ベンチャーにとって一番大切なこと」と付けてみましたが、全体をお読みいただいて、それが何だかおわかりいただけましたでしょうか?

答えは「ファイナンス」……ではないですよね。

本書で繰り返し述べてきたように、ベンチャー企業とは、誰もわからない未来にチャレンジする企業のことです。そして、そのベンチャー企業が生まれるために最も大切であり、かつ、日本に一番不足している希少資源は、技術力でも、お金でもなく、「アニマル・スピリッツ」と、それを持ち合わせている「人」であるということを、繰り返し述べさせて頂きました。

結局、ファイナンスは道具に過ぎず、起業は人と事業ありきということです。ただ、どんな企業でも資本調達などは重要なので、本書で説明されているようなファイナンスの知識を持っておけば必ず役に立つでしょう。

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
磯崎 哲也
日本実業出版社
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