円安の何がいいのか分からない…

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photo credit: rbanks via photopin cc

どんどん円安が進みますね。デフレ脱却のためにアベノミクスの一環として行われた金融緩和が主な要因です。なぜか経済学では、日本のように長年デフレ経済が続くことは良しとされていないからです。失業率と物価上昇率の相関を表すフィリップス曲線というのがあって、デフレだと失業率も高くなるみたいな。

インフレで企業業績は回復し、株は上がり、円安で輸出大国(?)の日本はハッピー。

となるはずなんですが、これには1つ大前提があります。

それは、それらがちゃんと従業員の給料に反映されること。

本来、インフレは賃金の上昇も意味し、アベノミクスによって統計上は賃金は「上がった」ように見えます。「名目で見れば上がった」だの「消費増税や物価上昇を加味した実質で見れば下がった」だの色んな主張がありますが。

ただ、確実に言えるのは、平均的なサラリーマンの視点に立てば、体感として大して何も変わっていないということです。一般的な心境は「うぅ、吉牛値上げは痛い」「円安で海外旅行行けないよ」といったところでしょう。あんまりポジティブな話は聞きません。

確かに失業率は今現在4%弱と、リーマンショック以前の水準まで戻ってきました。しかし、円安と消費増税によって、GDPの過半数を占める民間消費が減ったら本末転倒です。

この円安の恩恵を一番受けるのは一部の大企業とその株主ではないかと思います。彼らの業績も株価も上がれば彼らはハッピー。では果たして彼らはそれに伴って従業員の給料を上げるのか?多分Noでしょう。従業員に還元するより、更なる成長に向けた投資に充てるインセンティブの方がでかい。「会社が成長を続ければ、結果として社員も潤う」という決まり文句を放って。

大企業の社員ですら大して円安の恩恵を受けないわけですが、中小企業は更に状況が悪い。立場が弱い中小は上がり続ける輸入価格を販売価格に転嫁できず円安倒産が止まらない。そういえばZEROの村尾キャスターが「働く人の7割は中小企業に勤めているんですよ!」と嘆いてましたね。

「r(資本収益率)がg(経済成長率)より大きいため、資本家はどんどん金持ちになり、富の格差は拡大する」というトマ・ピケティの「21世紀の資本論」。アベノミクスはよく金持ちのための政策と批判されていますが、まさにこの理論が体現されている状況です。

一般人からしたら、円安なんて何もイイことがありませんね。私は経済のプロではないし、一国民の視点で嘆いているだけですが、誰か私に円安の良さを説得してくれませんかね…

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